アルコール検査義務の対象は日本の航空会社のみ!?
パイロットの飲酒問題が世間では話題となっていますが、度重なるパイロットの飲酒問題が表面化した結果、国土交通省が操縦士(パイロット)の飲酒基準を具体的に策定し、飲酒基準を厳しくしました。
多くの人命を預かるパイロットの飲酒基準が国として制定されていなかったことに驚くとともに、今更感がありますが、その内容についても一部違和感がありましたので共有するとともに、過去に聞いた話をもとに問題提起したいと思います。
国土交通省が策定したパイロットを対象とする飲酒基準(体内アルコール濃度)はすべてのパイロットを対象としているものの、何と、アルコール検査の義務化対象は「本邦航空運送事業者」、つまり日本の航空会社のみを対象としているのです。
違和感ありませんか?
日本の航空会社の飛行機のみならず、外国航空会社の飛行機にも日本人は搭乗しますし、外国航空会社の飛行機は日本の領土上空を飛行し、また当然ながら日本の空港を使用しているのです。
であれば、アルコール検査の義務化は外国航空会社に対しても同様に実施すべきではないでしょうか?
二日酔いパイロットは酸素マスクを使用する!?
過去にこんな話を航空機整備士から聞いたことがあります。
その整備士は外国航空会社が乗り入れる日本の空港でライン整備(駐機場での飛行機整備)を受託している会社に所属していたのですが、外国より到着する飛行機のコックピットに備わっている酸素マスクに接続された酸素ボンベ内の酸素残量がごく僅かであることがあったそうです。
パイロットがコックピット内で酸素マスクを使用するのは、緊急時以外では機長もしくは副操縦士のどちらかがトイレ等でコックピットを離れる際に残る一方が酸素マスクを着用しなけばなりません。
しかし、その整備士が担当した飛行機の酸素ボトルの残量は、通常の運航時の残量に比べ極端に消費量が多かったようです。
それはなぜでしょう?
実は、その飛行機に搭乗していたパイロットは二日酔いの可能性が高かったようなのです。二日酔いには酸素の摂取が有効とされていますが、そのパイロットは酔い覚ましのためにコックピットの酸素マスクを使用したのです。
アルコールは肝臓で分解されますが、その際に大量の酸素を必要とするようです。二日酔いのメカニズムは、肝臓でアルコールを分解するために大量の酸素を必要とした結果、体内の酸素が不足し頭痛やだるくなったりするそうです。
二日酔いのパイロットは酔い覚ましのために貴重なコックピット内の酸素を使用したのです。
日本人の安全のために国交省は飲酒基準の再考を!
そんな二日酔いのパイロットによる運航が日常茶飯事で起こっていたら怖くて飛行機に乗れませんよね?ましてや、飛行時間の長い海外路線だと尚更です。
だからこそ、アルコール検査の義務化は日本の航空会社のみならず、日本を発着するすべての航空会社のパイロットに対し課して貰いたいです。
国土交通省は飲酒基準厳格化ルールの中で、外国航空会社に対しても飲酒基準を適用しているものの、アルコール検査は義務化しておらず、航空局職員による検査で確認するという甘ったるい処置となっています。
少なくとも日本人を守ることを建て前とし、外国航空会社のパイロットに対しても同様のアルコール検査を義務化させてはどうでしょうか?