蒼空に近づきたくて

航空業界に生きるアラフォーサラリーマンが航空業界に興味を持ってくれる方々の為に航空機運航に関する豆知識をお伝えしていきたいと思っています。特にニュースとなる航空関係の話題を深堀りし背景等を解りやすく解説するように努めます。航空機運航には多くの「どうして?」が付きまとうので、皆さんの疑問のヒントになれるようなブログサイトを目指していきたいです。

787型機に関し日本航空「お客さまサポート室」に問い合わせしてみた

 

形骸化された『JALフィロソフィー』!?

日本航空副操縦士(42歳)がロンドン羽田便での航空機に乗り込む直前に基準値を超える体内アルコール濃度が発覚し逮捕されたという衝撃的な報道がありました。

【お詫び】運航乗務員の乗務前日の飲酒による法令違反について - JAL

しかも異変に気付いたのはターミナルからスポットまでの移動にクルーを乗せていたバスの運転手ということなので、この運転手の安全に対する責任感や危険予知に対する感度の高さに感心するとともに、同じ航空業界で働く者として「報告する勇気」を見習いました。

そして私が思ったのはもう一つ。

破綻後に新生した日本航空稲盛和夫名誉会長の号令のもと『JALフィロソフィー』を掲げ全社にて職種を問わない座談会を通じて安全やサービスに対する姿勢を学んで身に着けてきたはずです。

www.jal.com

しかしながら、飛行機運航のナンバー2責任者である副操縦士が飲酒操縦未遂を引き起こしたことは、搭乗客のみならず日本航空グループ社員を裏切ったことに他ならないのではないでしょうか。

また、果たして前述した『JALフィロソフィー』が全社員の間では形骸化された企業理念となりつつあり、経営陣の自己満足でおこなわれているのではないかという疑問が生じます。

今回の事件を通じ、多くの日本航空社員はシラケていることでしょう。

やっぱり破綻した日本航空だったね、と再び言われないように、安全に対する意識の向上に努めて頂きたいです。

真摯に対応してくれた「日本航空 お客様サポート室」

さて、今回私が記事の本題です。

日本航空のHPに掲載されている、ボーイング787型機のリチウムイオンバッテリーに関する対策が記載されているなかで以下表現がどうしても理解できませんでした。(今更感ではありますが、、、)

プロジェクトチームは、洗い出した約100項目の原因を、1つ1つ詳細に分析、評価したところ、約20項目については、「理論上は起こりうるが、現実的には起きえないもの」、もしくは「既に対策が講じられているもの」であることを確認しました。そこでプロジェクトチームは、残る約80項目の原因に対策を講じました。つまりこれは、想定しうるあらゆる原因を網羅した対策になっています。後日、運輸安全委員会によって当社事例、もしくは国内他社事例の原因が特定された場合でも、既に対策は講じられていることになります。同時に、バッテリーからの発煙、熱損傷など、いかなる不具合にも対応した対策となっています。

原因の洗い出しと講じられた対策 | バッテリー不具合の再発防止対策 | ボーイング787型機の運航状況について | 安全対策 | JAL企業サイト

jal.gallery.video

日本語ですら語彙力がなく、技術者や統計学の知識もない私なので、どうしても上記赤文字記載箇所の意味が理解できません。

理論上は起こりうるが、現実的には起きえないもの???

理論上起こりうるのであれば、追求し対策を講じなければならないのではないか?という疑問が生じ思考停止に至ってしまいました。

そこで、日本航空に対し問い合わせてみることにしました。

問い合わせ先:JAL - お客さまの声をお聞かせください

ボーイング787-8(日本航空HPより)

ボーイング787-8(日本航空HPより)

 

筆者から日本航空への質問

理論上起こりうる事象については絶対的な安全を確保する以上、原因究明する必要性があると思います。現実的に起きえないから対策する必要がない、という論理についてご説明賜りたくお願い致します。

 

日本航空からの返信(1回目)

現在、■■様よりお問い合わせいただきました弊社ホームページの記載内容につきまして、担当部に確認いたしております。報告が届き次第、改めて当室からご連絡いたしますので、今しばらくお時間を賜りますようお願い申し上げます。

 

日本航空株式会社
お客さまサポート室

 

日本航空からの返信(2回目)

弊社整備担当部によりますと、当時、まずは弊社および他社にて発生いたしました、ボーイング787型機に装備されておりますバッテリー不具合の原因となりうるものをすべて洗い出し、その後の分析などにより、実際の航空機に装備されているバッテリーの状況、航空機の運航状況、その他の状況から、その原因にはならないものが確認されたため、これらを除いた残りの原因となりうるものに対し、対策を講じました。

 

原因とならないものの一例としまして、仮にバッテリーが高圧力にさらされた場合、 不具合を引き起こす可能性があるものの、実際には、航空機に装備されておりますバッテリーが、 飛行中にそのような高圧力にはさらされることはないことから、「理論上起こりうるが、現実的には起きえないもの」 と表現させていただいた次第でございます。

 

日本航空株式会社
お客さまサポート室

 

筆者から日本航空への返信

この度は早々にご返信賜わり誠に有難うございました。関連部署ご担当者様へのご確認、大変ご面倒をお掛けしましたが、腹に落ちるご回答を頂けましたこと感謝申し上げます。

 

先日の出来事で大変な状況であると思料しますが、早急にお返事頂けましたこと重ねて御礼申し上げます。

 

私も航空業界に携わる者として、自分が日々行っている業務の先には信頼して航空機に搭乗されているお客様がいることを意識し、安全・安心・確実な仕事の遂行に努めます。

 

どうも有難うございました。

 

日本航空からの返信(3回目)

■■様におかれましては、私どもの説明にご理解を賜り、心より感謝申し上げます。また、このたびは、弊社社員に関する報道により、ご不信の念をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。安全に関わる法令違反という極めて重大な事例が発生したことを深刻に受け止め、このような事態を二度と発生させることのないよう、管理の徹底、および再発防止に取り組み、全社一丸となって信頼回復に努めてまいります。

 

私どもには未だ至らぬ点がございますが、安全運航は弊社の存立基盤であることを常に忘れることなく、皆さまに信頼される航空会社となれるよう努力してまいりますので、今後ともご愛顧を賜りますよう、何卒お願い申し上げます。

 

日本航空株式会社
お客さまサポート室

まとめ

不祥事報道で問い合わせが大変であったであろう状況下においても、最初の質問から回答を受領するまで数日間しか要しませんでした。真摯に対応して下さった「お客さまサポート室」には感謝です。

そして、私の当初の疑問もスッキリと解消出来ました。

なお、日本航空周辺より聞えたきた話によると、この不祥事の影響を受けて、どうやら日本航空グループ内では「飲み会」禁止令が出た模様です。本当にとんだとばっちりですよね。