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2020年の羽田空港発着枠をめぐる米国航空会社の熾烈な争奪戦

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羽田における2020年夏スケジュールでの米国航空会社の配分枠が確定

米国時間の2019年2月21日(木)に、アメリカン航空、デルタ航空、ユナイテッド航空、ハワイアン航空の米国航空会社4社がアメリカ運輸省(DOT)に対し2020年サマースケジュールからの羽田空港乗り入れ申請を行いました。

 

 

そして、米国時間の2019年8月9日(金)にDOTより最終的な12枠の決定が通知されました。

 

 

以下リンクよりDOTの最終決定通知書「2019-8-6 Final Order」(PDF)の閲覧が可能となっていますので、全文が英語でも読める気力のある方は挑戦してみてください。

 

 

では、決定通知書および各報道に基づき、米国各航空会社の羽田空港獲得枠をまとめてみます。

アメリカ運輸省の最終決定通知書に基づく各航空会社獲得枠

デルタ航空

米国都市3レター申請獲得
アトランタATL
デトロイトDTW
ポートランドPDX
シアトルSEA
ホノルルHNL
ホノルルHNL×
ロサンゼルスLAX

(既存)

ミネアポリスMSP

(既存)

デルタ航空は羽田空港での既存2路線(ロサンゼルス、ミネアポリス)に加え新たな5枠が加わり合計7路線となり、日系航空会社以外では最大の運航路線を誇ることになります。

超混雑空港そして都心至近の羽田空港における2019年サマースケジュールの増枠分を巡る争奪戦において、日米路線でのアメリカの航空会社間でも熾烈な競争がありましたが、結果としてデルタ航空がひとり勝ちした印象です。

デルタ航空はこれまでアジア圏でのハブを成田空港としていましたが、それを韓国・仁川空港に譲りまた成田-マニラ線/シンガポール線の以遠権を放棄してまでも日本における拠点を移したいくらいの魅力が羽田にはあるのでしょう。

なお、2014年にデルタ航空は成田空港に自社格納庫(ハンガー)「成田テクニカルオペレーションセンター」を設置しましたが、これも撤去され仁川に移されるのでしょう。ハンガー内部に掲げられている巨大な星条旗がアメリカの航空会社であることを大きく印象付けているとともに、アメリカに対する誇りが感じられて好きだったのですが。

アメリカン航空

米国都市3レター申請獲得
ダラスDFW
ロサンゼルスLAX
ダラスDFW×
ラスベガスLAS×
ロサンゼルスLAX

(既存)

アメリカン航空は羽田空港での既存1路線(ロサンゼルス)に加え新たな2枠が加わり合計3路線となります。

ユナイテッド航空

米国都市3レター申請獲得
ニューアークEWR
シカゴORD
ワシントン D.C.IAD
ロサンゼルスLAX
ヒューストンIAH×
グアムGUM×
サンフランシスコSFO

(既存)

ユナイテッド航空は羽田空港での既存1路線(サンフランシスコ)に加え新たな4枠が加わり合計5路線となります。

ハワイアン航空

米国都市3レター申請獲得
ホノルルHNL
ホノルルHNL×
ホノルルHNL×
ホノルルHNL

(既存)

コナKOA

(既存)

ハワイアン航空は羽田空港での既存2路線(ホノルル、コナ)に加え新たな1枠が加わり合計3路線となります。

2020年、米国航空会社は13路線18便を運航を運航

各航空会社の路線を合計すると、米国航空会社全体では以下表の運行となります。ロサンゼルスが3社4便となり目立っていますね。

東京都心からアメリカが一気に近くなるようで、最大の経済国であるアメリカへのビジネスマンの出張が飛躍的に効率的になりそうです。

就航枠争奪戦の参戦には提案書(Application)が必要

就航枠は各航空会社が提出する提案書にもとづき、DOTが国益を鑑みたうえで決定します。

各航空会社がDOTに提出する提案書は100ページ以上にもおよび、航空会社にとって羽田路線がドル箱であることが伺い知れます。

この提案書には、自分たちの航空会社が就航すればどれだけのメリットがあるかはもちろんのこと、他社が就航した場合のデメリット等も記載されています。

デルタ航空の提案書

アメリカン航空の提案書

ユナイテッド航空の提案書

ハワイアン航空の提案書

まとめ

以上のとおり、2019年2月には米国航空会社4社より合計19枠の申請がありましたが、最終的には12枠のなかでそれぞれの航空会社に割り振られました。

羽田空港に米国本土線が多く就航するようになり、また成田からの移管も進むことで真の国際空港になるような気がします。

そして、DOTによる決定が、デルタ航空のみが1枠のみしか承認されていない状況からするに、旧羽田空港におけるノースウエスト航空就航時代からの貢献度合いも加味され少しは優遇されたのではないかと思います。(デルタ航空に吸収される前に存在していた旧ノースウエスト航空は、日本の国策 - 首都圏国際空港を羽田から成田に移管 - により、羽田における経営資源の移転を余儀なくされた経緯がある)

なお、デルタ航空の思い切った戦略 - 成田撤退 - は衝撃的でした。今後、どのように羽田で展開し根差すのか注視していきたいです。

追記:国交省も米国路線数を正式発表(2019年8月21日)

国土交通省は8月21日のプレスリリースにて、羽田空港の昼間時間帯の発着枠について、日米の航空当局間協議が8月21日(水)に東京で開催され、2020年のサマースケジュールが開始される2020年3月29日より、日米双方の現行5便に12便を追加し、合計17便とすることに合意した旨を発表しました。

なお、当発表には具体的な路線は記載されていませんでしたが、米国航空会社については上述のDOT発表路線が決定事項となっています。

国交省プレスリリースの詳細については、以下リンクをご参照ください。









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