2018年4月7日(土)に米海軍・横須賀基地「UNITED STATES NAVY FLEET ACTIVITIES YOKOSUKA」にて開催された『日米親善よこすかスプリングフェスタ 2018』に参加してきました。
ミリタリー好き、アメリカ好き、神奈川県民歴丸10年の私もこれまで参加できる機会が無く、今回初めての参加となりました。
これまで下記記事の通り2回にわたってレポートしましたが、今回の3回目にて完結編となります。2回目のレポート投稿より3ヶ月弱も掛かってしまいましたが、来年のスプリングフェスタには十分に間に合いましたので、このレポートを参考に今後のフェスタを楽しんで頂ければ嬉しいです。
Contents
早朝より並んだ甲斐あって「CURTIS WILBUR」下艦後はゆっくりとアメリカ軍基地を楽しんだ
見学の対象となっていた艦船「USS CURTIS WILBUR DDG 54」より下艦したのは9時40分頃でした。三笠公園内ゲートが開放されたのが9時少し前で、CURTIS WILBURに乗艦したのが9時22分なので、あっという間に第一の目標を達成しました。
下艦後は来た道を戻るのですが、CURTIS WILBUR見学目的の方々の列が途切れることなく延々と続いています。そんな人たちを横目に余裕の気持ちで歩けるのも、やはり早起きし開門前から並んだ甲斐があったからこそだと思います。
歩いている途中、揚陸指揮艦「USS BLUE RIDGE LCC19」が停泊しているバース内でホットドッグを販売していたので購入し、しばしBLUE RIDGEを見ながらの休憩です。ホットドッグ2本とスナック菓子1つ、それにウォーターボトルが1本ついて500円でした。ソーセージは塩辛かった印象でしたが、大雑把な味付けもアメリカならではの「味」として割り切れることができます。
また屋台では消防クルーが使用している消火器を体験することができました。普段日本で目にする小さな消火器には薬剤が入っていますが、ここの消火器には二酸化炭素が入っているのか、噴射されたものは細かなドライアイス状のものでした。
さてお腹も満たし、基地内散策の再開です。
が、本当に長蛇の列がずっと続いています。
午前10時の段階で艦船見学の列は800メートルにも達する
セキュリティ担当が手信号で車両と見学者を誘導するNimitz Blvd.とHoward St.が交差する場所にあるT字交差点の向こう側(入場ゲート側)にも長蛇の列が見えます。ここに列を成している人たちはあと何時間並ぶことになるのだろうと思うと、本当にぞっとしますし、20分程度の艦船見学のために並ぶのであれば、基地内の他のことに時間を費やす方がアメリカを楽しめるのではないかと思うくらいです。
結局、10時10分頃の時点でNimitz Blvd.とClement Blvd.が交差するT字交差点付近が艦船見学者の最後尾となっていました。Google Mapで計測すると、CURTIS WILBURのバース入り口から約800メートルも続く列であることがわかります。5分で10メートル進めたとしても、CURTIS WILBURまで6~7時間掛かることになります。諦めましょう!!!
基地内で働く消防車は米国製
Clement Blvd.を進むと右手にはアメリカ独特のデザインの消防車が停まっています。今回の基地見学で私が一番興奮したのはCURTIS WILBURではなく、この消防車だったかもしれません。それ程にデザインがアメリカナイズドされていて、芸術品のようにも見えます。日本の消防車が素っ気なく見えてしかたありませんね。
また車体には「PROTECTING THOSE WHO DEFEND AMERICA」とペイントされています。直訳すると「アメリカを衛る人々を護る」となりますが、アメリカを護る人々は基地で働く人々であり、つまり兵士のことですね。アメリカでは尊敬されるべき一番の職業が兵士だと言われています。
ゲート開放後は気になる消防車を左手に見つつ一目散にCURTIS WILBURに向かったのですが、艦船見学後は思う存分に消防車を楽しむことができました。車両は「PIERCE」製です。正式名称はPIERCE MANUFACTURING社です。アメリカの消防車製造メーカーです。日本の基地内で使用する消防車でさえも輸入しているのです。本当にかっこいい。
消防車を丹念に回りながら写真を撮り、消防士(日本人)に声を掛けると、バンパーに座ったポーズで写真を撮ってくれました。
私は40歳にほど近いおっさんですが本当に嬉しかったなぁ!!
番外編:日本にあるアメリカ軍基地内で働くには??
なお、米軍基地内では多くの日本人が働いていますが、「独立行政法人 駐留軍等労働者労務管理機構(エルモ)」の仲介により日本人でも在日米軍基地で働くことができるのです。但し、雇用は米軍の直接雇用という訳ではなく、日本国政府(防衛大臣)が雇用した労働者が米軍基地内で勤務する、というのが構図です。
エルモのHPには以下のように米軍基地内労働者のことが記載されていますが、こうやって見ると、日本は米軍に駐在して貰っている、と読み取れるのではないでしょうか。
駐留軍等労働者とは
- 我が国には、日米安全保障条約に基づき、在日米軍が駐留しています。この在日米軍の任務遂行のため、国(防衛大臣)に雇用され、在日米軍基地で勤務する従業員が「駐留軍等労働者」です。
- 現在、約25,000人の駐留軍等労働者が全国各地の米軍基地で勤務しています。 仕事は、事務・技術・消防・警備等のほか、基地内の売店・食堂の業務など多岐にわたっており、在日米軍の活動を支えています。
少し話がずれてしましましたが、米軍基地内で働きアメリカを感じたい、という方は駐留軍等労働者労務管理機構(エルモ)のHPを覗いてみてみて下さい。
基地見学者もアメリカの雰囲気でボーリングができる
消防車の後はボーリング場に向かいました。
ボーリング場の名称はそのまま「BOWLING CENTER」でした。
基地見学者もボーリングができたみたいですよ。艦船見学もいいですが、アメリカの生活に直接触れる経験も捨てがたいです。私はひとりで見学したので、限られた数のレーンをひとりで使用する(しかも下手ですし!!)勇気はありませんでしたが。
映画館にてアメリカ人仕様シートでくつろぎながら第7艦隊バンド演奏を堪能する贅沢
その後は映画館である「Benny Decker Theater」に向かいました。
この日は風が強く、時間が経つにつれ雲が多く太陽が顔を覗かせていなかったので、体感的には結構肌寒く感じていましたので、寒さをしのぐ場所として最適な場所でした。しかもアメリカ人仕様の大きなシートなので、リラックスして催し物を楽しむことができました。
私がBenny Decker Theaterに到着し暫くしたところ、11時より開会式が始まりました。基地代表として基地司令官であるジェフリー・キム大佐が挨拶、その後、タレント上地亮輔の父で横須賀市長である上地市長の挨拶がありました。
ここで私が感動したのは、ジェフリー・キム大佐の流暢そして紳士的な日本語での挨拶です。日本の市民に寄り添い友好関係を深めたいという思いが伝わってきました。そしてキム大佐は過去に横須賀基地での勤務経験もあったようです。横須賀にはきっと愛着があるのでしょう。
ちなみにキム大佐の経歴は・・・
韓国ソウル市出身で、幼少期に家族とアメリカへ移住し、マサチューセッツ工科大学を卒業。アメリカ海軍兵として日本でも横須賀、佐世保、沖縄での勤務経験のある韓国系米国人です。
厳粛な雰囲気の中で執り行われた開会式の後はショータイムの始まりです!!
まずは基地内の学校に通う中学生のミニコンサートでした。デュエットで歌う子供たちもいたのですが、彼女達を見ているとなんだか感慨深い気持ちになりました。
この子たちは基地内学校に通っているので、親は軍人もしくは軍属のはずです。アメリカから世界各国の基地に派遣される親と一緒に日本に住んでいる訳で、近い将来、また他の基地に移ることになるでしょう。デュエットのふたりが、こうやって日本で過ごす僅かな期間だけのクラスメートや友人なんだと思うと寂しい気持ちになります。お互いの距離が離れてしまった後も、彼女たちの友情がこれからもずっと続くようにと、願ってやみませんでした。
そして私が映画館でいちばん楽しめたのは「The U.S. 7th Fleet Band」によるバンドパフォーミングでした。米海軍で11あるバンドのひとつのようですが、軍人といえばお堅いジャンルの演奏のみと思っていたところ、ヒップホップも含め何でもできちゃうバンドでした。
そりゃぁ、世界中にある米軍基地を回り慰問し駐留兵を楽しませることが最大の目的なので、どんなジャンルでもこなさなければならないプロ集団なのでしょう。映画館の心地よさも手伝い、ずっと見ていられるバンドでした。
なお、The U.S. 7th Fleet Bandはイベント等での出演を要請することができるみたいですよ。詳細は以下URLよりどうぞ。
飲み食い&米国産エナジードリンク購入はここで
さて、基地見学の終わりは普段は駐車場として使用されている場所に多くの屋台が集まった「Vendor Booth」での昼食購入でした。
ここでは日本で販売されていないアメリカで販売されているモンスター等のエナジードリンクも販売されており、それを目的にフェスタに来る人たちもいるようです。私は高校時代に校舎内にあった自販機で販売され飲んだ記憶のあるゲーターレード(GATORADE)が売られていたので、レモンライム味の946mlのものを300円程で購入しましたが、7月7日時点でまだ冷蔵庫の中で眠ったままです。
屋台では分厚いステーキ等も販売されていましたが、みんなが食べたいと思うような食べ物を販売している店はやはり人気店となっていて長蛇の列です。
私も一応そこそこ並んでいる店のステーキ?を購入しましたが、強風でランチボックスが飛ばされそうになり、抱えるので必死。おまけに上空より食べ物を狙うトビに怯えながら結局は立ち食いしたため、ただ口に詰め込んで喉を通したためにお腹を満たした感はありませんでした・・・。
風が本当に強く、肌寒く、もうこれ以上耐えられないと思い、基地を退散することにしたのですが、帰り際に横を通ったマクドナルドでは日本の店舗で販売されていないメニューもあるようで、当初は米軍基地まで来て何でマクドや?と思っていたものの、どうせだったら寒い思いをせず店内で温く温と試したかったなと後悔しました。また次の機会にリベンジや!!
まとめ
さて、こんな感じで3回にわたってレポートした米海軍・横須賀基地見学の報告は終わりとなりますが、アメリカの食品や日本には出店していない米軍基地内にしかないアメリカ・ブランドの店舗に興味があるのであれば、入場ゲートの開放後は真っ先に「NEX FOOD COURT」に向かうことをおススメします。行き方は超簡単で、入場ゲートを直進するとマクドナルドが右手にある交差点に出るので、そこを右に進むと右側にフードコートが見えてきます。
今回の基地見学では横須賀基地のほんの一部分のみしか対象範囲となっていませんが、それでもゲートを跨げばそこはまったく日本と異なる雰囲気があり、目にするものがアメリカです。
アメリカは世界中に基地を持っており、そこで勤務する人たちがアメリカ本国と同じ生活水準を保たれるようにしなければならないと聞いたことがあります。だからこそ広大な土地の基地内にショッピングセンターやファストフード店、ボーリング場や映画館まであり、同じ軍隊である自衛隊(敢えて、自衛隊を軍隊と呼んでいます)の基地環境とは異なって当たり前なのですね。
日本を衛る日本に駐留する米軍人が日本での生活を満喫できるようには、やはり日米地位協定のような米軍への配慮・特権が必要なのかな、と思った次第です。