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海外への貨物緊急出荷時の頼みの綱はやはりJAL

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ここ最近の2回にわたる記事にて日本航空はもうダメだ的なアンチJALっぷりを発揮していましたが、実は私の保有クレジットカードはJALカードですし、ここ最近乗った本邦系航空会社もJALなので、決してJALが嫌いという訳ではありません。(青組は20年前に搭乗した記憶しかない)

 

 

仕事上の絡みも踏まえると、ANAと比べて圧倒的にJALにはベテランが多いです。ANAは急成長している裏で現場担当者が若くノウハウはJALの方が圧倒的に上を行っている印象で、JALとは一緒に仕事がやりやすいです。

一応上記の通りJALを持ち上げてみましたが、更に私の実経験を踏まえうえでJAL推ししたいと思います。

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緊急貨物の輸送時はJALの旅客便に搭載すること

私が航空貨物代理店(フォワーダー)勤務していた10年以上も前に先輩からのアドバイスが未だに印象強く残っています。

某大手電機メーカーからの緊急貨物をアメリカにある自動車工場の生産ラインに間に合わせるべく対応していた際、以下の輸送方法を提案されました。

  1. 日本航空の搭載保証サービスを利用すること
  2. 旅客便に搭載すること

たったこれだけです。

ではどうして上記前提を守ればよいのでしょうか、背景も踏まえて説明したいと思います。 

JALの搭載保証サービス利用することのメリット

日本航空には「J-SPEED」という搭載保証、且つ着地空港での早期引き渡しサービスがあります。通常の貨物は便出発120分前までの貨物受託、便到着後180分後までの貨物引き渡しを基本としていますが、J-SPEEDを利用することで便出発90分前までの貨物受託、便到着後90分以内の貨物引き渡しと、予約便への搭載保証が受けられるのです。

【J-SPEEDを利用する利点】

  1. 予約便への搭載保証
  2. 出発空港における便出発90分前までの貨物受託が可能(通常は120分前)
  3. 到着空港における便到着90分以内の貨物引取が可能(通常は180分後)

JALCARGO 国際貨物 - J SPEED 緊急輸送サービス

JAL J-SPEED

J-SPEED | 出発時

J-SPEED | 到着時

J-SPEED | 到着時

旅客便に搭載することのメリット

旅客便に搭載する利点は2つあります。

1. 旅客便には定刻厳守の鉄の掟がある

まず、不可抗力時を除き、旅客便は必ず定刻を厳守しなければならない鉄の掟が航空会社に存在します。では、なぜ定刻厳守なのか?

それは、旅客利便性を損なわぬようにするためです。さらに深掘りすると、到着地で更に遠方フライトへのトランジットが出来なくなる可能性があることです。

そして空港における航空機のスロット(発着枠)は分単位で定められており、少しでも出発遅延するとなると、スロット通りに運航される航空機が優先されてしまう事情があります。従い、定刻出発は厳守なのです。

もし貨物部門を起因とする出発遅延が発生した場合、対策を含めた報告書(始末書)を提出しなければならないほど、旅客便の遅延には厳しいです。

ちなみにJALは2016年にアジア・パシフィック地区の航空会社で定時到着率1位を獲得している高品質航空会社です。

 

2. 貨物専用機(フレイター)の遅延は当たり前、そして到着してから貨物を引き取るまでが長時間

貨物専用機ではなく旅客便に搭載することが肝要です。貨物専用機は旅客が搭乗していない為、出発遅延は旅客便に比べて圧倒的に多いです。運航スケジュールは存在するものの、有って無いと思ってもよいくらいです。

そして、貨物専用機には大量の貨物を搭載する為、到着地空港での貨物引き渡しは旅客便に比べて遅く設定されています。

【旅客便を利用する利点】

  • 旅客便:到着時刻から180分以内に貨物引取が可能(J-SPEED未利用)
  • 貨物専用機:到着時刻から360分以内に貨物引取が可能

参考:JALCARGO - 東京 成田 / TOKYO NARITA (Narita International Airport)

まとめ

以上の背景により、緊急貨物輸送時は

  • JAL搭載保証サービス(J-SPEED)の利用 および
  • 旅客便の利用

が必須であることをご理解頂けたかと思います。

JALの品質は他の航空会社担当者に言わせても高品質です。アジア・パシフィック地区の定時到着率1位というのもそうですが、貨物の扱いが丁寧です。航空輸送される貨物は一般的に高付加価値貨物と言われますが、そのことを十分に理解した荷役作業者が取り扱います。荷役作業者だからといってあなどれないのがJAL品質です。

ちなみにJALは荷役作業者の腕を競う大会を定期的に開催し、技術の向上に努め、更には香港のHACTL(Hong Kong Air Cargo Terminals Ltd.)が主催する世界大会にも参加し毎年優秀な成績を収めています。このような影で貨物輸送を支える荷役作業者のたゆまない努力があってこそダメージの無い、荷主が安心できる航空輸送が実現します。

また、フォワーダー担当者は航空会社のサービスを知り尽くしたうえで荷主にとってベストな輸送方法を提案する役割を担っています。したがって荷主側としてはフォワーダー担当者より適切なアドバイスを受けられるよう、上から目線ではなく、荷主側企業を助けてくれる恩人として、ビジネスパートナーとして良好関係を築いて下さいね。

 

 

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