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かつてスカイマークに在籍していたエアバスA330型機
航空グッズコレクションの整理をしていたら、スカイマーク(Skymark Airlines Inc.)がかつてほんのわずかな期間だけ保有していたエアバスA330-300型機のステッカーを発見しました。エアバス社が製造するA330型機等の商用機で、それらを使用する航空会社毎のバージョンがあるステッカーのスカイマーク版です。

この種類のステッカーがエアバス社のオリジナルなのかどうかわかりませんが、パイロットが持っている黒バッグに貼ってあるのを見たことがあるので、いわゆる業界人にも知られた存在なのかもしれません。
さて、そのステッカーを発見して気になったのが、その後のスカイマークのA330型機はどうなってしまったの?ということ。A380も購入しようとしてその流れで経営破綻、ドタバタしてる間に存在そのものが忘れ去られていたような気がします。
A380に至っては経営支援したANAが尻拭きという形で引き取ることになり、スペシャルペイントを施しハワイ路線に投入することになっていますが、A330には見向きもされませんでしたね。
(画像:Aviation Wire様より)
ということで、忘れ去られたかわいそうな運命を持つスカイマークに受領され運航されていたA330を弔う意味も含めその後の運命を辿ってみたいと思います。
スカイマークで運航していたエアバスA330型機の機体登録番号
A330型機は5機を受領し、3機は製造されたものの未受領でした。
受領され運航された機体
- JA330A
- JA330B
- JA330D
- JA330E
- JA330F
製造されたものの未受領に終わった機体
- A330G
- A330K
- A330L
それぞれの機体のその後の運命は、、、?
A330型機の運行は3度目の延長を経て2014年6月14日に羽田ー福岡線(BC003便/機体登録番号:JA330B)にて就航し、2015年1月31日の札幌ー羽田線が最終フライト(BC730便/機体登録番号:JA330D)となりました。その間わずか約半年。あまりにも短すぎる運航期間です。スカイマークに受領され日本の空を駆け回った機体のその後を追ってみたいと思います。
初号機「JA330A」の運命
- 機体登録番号:JA330A
- 型式:A330-343X
- 製造メーカー:エアバス
- 製造番号:1483
- 登録:2014年2月
- 抹消:2015年3月
- 抹消後状況:航空機リース会社よりリースされ2017年3月よりトルコを拠点とするターキッシュ・エアラインズ(TK)にて活躍中(機体登録番号:TC-LOA)
2号機「JA330B」の運命
- 機体登録番号:JA330B
- 型式:A330-343X
- 製造メーカー:エアバス
- 製造番号:1491
- 登録:2014年2月
- 抹消:2015年3月
- 抹消後状況:航空機リース会社よりリースされ2017年3月よりトルコを拠点とするターキッシュ・エアラインズ(TK)にて活躍中(機体登録番号:TC-LOB)
3号機「JA330D」の運命
- 機体登録番号:JA330D
- 型式:A330-343X
- 製造メーカー:エアバス
- 製造番号:1542
- 登録:2014年7月
- 抹消:2015年3月
- 抹消後状況:航空機リース会社よりリースされ2017年3月よりトルコを拠点とするターキッシュ・エアラインズ(TK)にて活躍中(機体登録番号:TC-LOC)
4号機「JA330E」の運命
- 機体登録番号:JA330E
- 型式:A330-343X
- 製造メーカー:エアバス
- 製造番号:1554
- 登録:2014年9月
- 抹消:2015年3月
- 抹消後状況:航空機リース会社よりリースされ2017年4月よりトルコを拠点とするターキッシュ・エアラインズ(TK)にて活躍中(機体登録番号:TC-LOD)
5号機「JA330F」の運命
- 機体登録番号:JA330F
- 型式:A330-343X
- 製造メーカー:エアバス
- 製造番号:1574
- 登録:2014年11月
- 抹消:2015年3月
- 抹消後状況:航空機リース会社よりリースされ2015年7月よりスペインを拠点とするエア・ヨーロッパ(UX)にて活躍中(機体登録番号:EC-MHL)
日本の空を飛んでいた5機の機体はいずれも拠点をヨーロッパに移し活躍しているそうです。スカイマークでの運航期間が短い機体は4か月程度なので、第二の人生の場での方が遥かに長く活躍できそうです。産まれて直ぐに親に見捨てられた子ではありませんが、見守ってあげたくなります。
エアバスA330型機の運行でいちばんの話題になったのはミニスカ・スッチー
IT出身の元経営者は斬新なアイデアの持ち主でもあり、A330型機に搭乗するキャビンアテンダント(以下、親しみを込めて、スッチー)の制服をワンピースのミニスカ(=ミニスカート)にしました。これには当たり前のようにメディアも注目しました。
世の男からしてみれば、憧れのスッチーがしかもミニスカなんだもんだから興味を示さない訳がありません。特にスッチーとご対面出来るジャンプシート前の座席は希望者殺到だったに違いありません。
(画像:Aviation Wire様より)
しかし、私がもしその座席に座れたとしても目のやり場には確実に困惑するはずです。そしてスッチー自身も座っている間は常に手でスカートを押さえていたのかと気になります。
緊急時の対応は大丈夫なのでしょうか?制服の細かいデザインにまで国の規定があるかはわかりませんが、安全運航を指導する立場の国はどのような見解だったのかも気になります。
さて、否定的なことを言っても、所詮私も男なのでミニスカは嬉しいです。ミニスカが安全運航に不安があるんじゃないの?なんて綺麗ごとは言わないでおきますね。それに国のお役人だってプライベートだったら喜ぶはずでしょう!?
世界のミニスカ・スッチー
ということで、世界のエアラインにも同じようにミニスカ・スッチーがいるのか調査してみした。単なる男の興味でしかありませんが、気になりますよね?
アメリカにかつて存在し現USエアウェイズの前身であるパシフィック・サウスウエスト航空(PSA)のスッチーのユニフォームはそのデザインで有名だったようです。この会社をモデルにしたのがサウスウエスト航空であり、ユニフォームのデザインを継承しているそうです。
こちらはドイツのルフトハンザ航空のミニスカ・ユニフォームですね。スカイマークはこのデザインを参考にしたのでしょうかね?年代は詳細に調べていないので明言できませんが、世界がイケイケ時代だった60年代にかけてのミッドセンチュリーにおけるデザインでしょうか。シンプルなデザインながらも今でも十分に通用しそうです。
ミニスカ・スッチーは時代遅れ?
ミニスカという言葉時代は死語(死語自体が死語?)なのかもしれませんし、また今の時代は女性も社会の中心で活躍するなかで、フェミニズムというか、女性を好奇心の的として捉えられるようなユニフォームはナンセンスなのでしょう。男としては残念ですが、時代の流れなので仕方ありません。
エアバス社のステッカーコレクション
現在私が所有しているステッカーです。今は無き東亜国内航空(日本エアシステムの前身)は超レアです。
まとめ
スカイマークのHPには事業の目的が以下の如く胸を張るように記載されています。
我が国の定期航空運送事業者は、戦後の航空再開以降数多くの合併の歴史を経て、2社に集約(系列各社は除く)されてまいりましたが、国内線市場では十分な競争環境が現出されているとは言い難く、寡占状態にあると言わざるを得ません。厳しい競争にさらされている国際線市場では運賃の低廉化には目を見張るものがあり、メリットが利用者に還元されている一方で、国内線市場では運賃が高止まり状態にあり、利用者の不満は高まっておりました。当社は、このような国内線市場に参入し、競争状態を生み出し、利用者便益の向上に資することを目的に設立されました。
二大巨頭であったJAL・ANAによって形成された日本の航空業界の慣行を打破すべく立ち上がり、経営の危機状態であったスカイマークを引き継いだIT企業経営者の西久保氏でした。IT企業経営者よろしく大胆な行動に出たスカイマークは国には従順なJAL・ANAとは異なる厄介者だったのかもしれません。利用者利便性を考えさらなる追加投資が逆に仇になってしまったのは同情すべきかもしれませんが、親方日の丸と言われ胡坐をかいていたメジャーキャリアに危機感を与えより良いサービスの提供を導いてくれたのはスカイマークのおかげかもしれません。一度は民事再生法を再生したスカイマークですが、応援していきたいと思います。