米国時間11月7日にサンフランシスコ(SFO)発ホノルル(HNL)着、同時間11月8日にホノルル(HNL)発サンフランシスコ(SFO)着の便にてユナイテッド航空のB747型機による運航が終了しました。面白いことに両便ともに「UA747」という便名が付けられています。そして最終運航に使用された機体登録番号は「N118UA」でした。
N118UAに敬意を表して、、、
- 製造会社 : Boeing
- 製造番号 : 28811/1201
- 型式 : 747-422
- 登録 : 1999年2月
- 運航会社 : ユナイテッド航空(United Airlines)
特別に割り当てられた最終便名「UA747」
本来行き帰りの便名は異なるもののユナイテッド航空のジャンボ機による運航が最終ということもあり往復ともに同一便名である「UA747」が割り当てられました。機種名を便名にするなんて大量輸送時代の礎を築いた747型機への誠意ですね。
ユナイテッド航空のプレスリリースによると、9月に退役を表明した際に300席もの予約が90分以内に販売完了となったようです。
サンフランシスコに戻った当機材が次に向かった先は、、、
ここからが本題です。UA747便としてサンフランシスコに戻った当機材(N118UA)が次に向かった先は、、、それは砂漠の真ん中にある「航空機の墓場」とも呼ばれる定期便が運航されていないヴィクタービル空港(Victorville/VCV/KVCV)であり、UA2695便としてサンフランシスコから当空港までの約50分間のフライトこそがN118UAの最終フライトでした。
N118UA - Boeing 747-422 - United Airlines - Flightradar24
アメリカには「航空機の墓場」とよばれる空港が数か所ありますが、いずれも西部の砂漠地帯に存在しています。これは乾燥した空気により航空機を安定して保管できるためでもあります。墓場と言われるのは正にこの空港で航空機としての役目を終えるからなのですが、航空機より使用できる部品を取り出し再販売したりするための保管場所として駐機することになります。イメージとしては中古パソコンショップで販売しているパーツ取り出し用のジャンクパソコンと同じ運命なのです。
なお、墓場と言いましたが、航空機として運航する次の売却先が見つかるまでの保管場所としても使用されるそうなので、N118UAが今後、新たな航空会社のもとで飛行を続けられるのか、もしくはパーツ取り出し用のスクラップとなってしまうのか、その運命に気になるところです。
何はともあれ、盛大なフェアウエルをしながらも、その翌日には砂漠行きの運命になってしまうドライな感じが合理的なアメリカだなと滑稽に思えます。